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Vol.52 Norfolk Jacket No. 2


それにしても暑い夏が続いています。
ただ、季節は確実に移り変わっているはずです(笑)。

このたび、本格的なノーフォークジャケットを制作しました。
もともと、"The Sartrial Art Journal"と言う、アメリカの雑誌の1905年6月号において、
テーラーが顧客へのプレゼンテーション用に使用するイラストとして
掲載されていたものです。

その1905年、英国においては、エドワード7世(在位1901〜1910)の治世で
一般的にエドワーディアン時代と呼び、華やかな古き佳き時代でした。
英国のメンズファッションが世界中に影響を与え、
フロックコートやモーニングコートなど
丈の長い「コート」から、現在のスーツやジャケットと同じような
着丈の短いラウンジ「ジャケット」が一般的になる過渡期でもあります。
当時、貴族の保養地であったサザンプトンの港から、英国の流行は
即座にアメリカ大陸に伝わったようです。

前述の雑誌の1900年から1910年までのイラストを見ても、
乗馬、ゴルフ、テニス、ヨット、サイクリングなどスポーティーな服装は
ほとんどが、現在に通じる短い丈のジャケットですが、
一般的な街着としては、「コート」と「ジャケット」は拮抗しています。

ところでノーフォークジャケットはその名の通り、ノーフォーク公爵の狩猟服が
原型ですが、1880年代、前述のエドワード7世の先代の
ビクトリア女王の時代に一般的に着用されるようになったと言われています。

前後の身頃には垂直に細い帯が付けられています。
本来、箱襞(ボックスプリーツ)であったと言われていますが、
前見頃は胸にポケットがあるし、芯地があるので不可能、
もしあるとすれば、後身頃ですが、これもうまく機能するとは思えません。

いずれにせよ、Vゾーンが狭く、フロントカットもカッタウェイではなく、
4つのボタンをすべて留める直線的なラインは、
「オーバーコートを着ないジャケット」として、真冬にも大活躍しそうです。

グリーンの方はスコットランドのLovat Millの725gの超ヘビー級のCheviot Tweedです。
以前にご紹介したH.E.BoxのGamekeeper's Tweedと通じるものがあり、
本来のノーフォークジャケットには最適な素材です。

かたや、アイボリーの方は、イタリアのDragoのピュアカシミアです。
毛足が短く、目が詰まっているので、ノーフォークのヘビーな趣にも負けません。。
高級なカシミアでカントリージャケット、こんな贅沢も有りですよね。

*ロンドンのV&A(ビクトリア&アルバート博物館)のアーカイブにおいて、
当時のノーフォークジャケットがご覧になれます。
http://collections.vam.ac.uk/item/O78848/norfolk-jacket/#

*出典*
林 勝太郎著 「英国服装史のルーツ探訪」(1982年別冊Men's Club)
Nicholas Storey著 「History of Men's Fashion」
Jean L.Druesedow著 「Men's Fashion Illustrations from the Turn of the Century」
出石尚三著 「スーツの百科事典」

 

一番上のYou Tubeの動画がご覧になれない場合は、下記にアクセスしてください。
http://www.youtube.com/watch?v=RnJHfWEbAkg