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Vol.50  British Warm


究極のオーバーコート、「ブリティッシュ・ウォーム」を制作しました。

この英国の伝統的なオーバーコートの起源は第一次世界大戦まで遡ると言われています。
当時は、射程距離が長く、精度の高いライフル銃が装備されていたため、
それまでの戦争の主力であった「騎兵」が無力になり、
それでいてまだまだ戦闘機や戦車が充分装備されていなかったので、
いわゆる歩兵による塹壕戦が主流となり、戦争の長期化が進んだそうです。

この塹壕(英語で”トレンチ”)で生まれた機能的な防寒着、防水服が
トレンチコートであり、ブリティッシュウォームです。
最前線では数十メートルの距離で敵と対峙し、緊張の連続の持久戦、
寒さと水はけの悪さは、これらのコートをより実用的なものにしたようです。
(英国の映画、「ザ・トレンチ<塹壕>」では、生々しく描写されています。
ところで、例のジェームズボンドのダニエル・クレイグが軍曹役で出演しています。)

今回ご紹介するブリティッシュ・ウォームはダブルブレストの6ボタンの3つ掛け、
ピークラペル、肩章付きで将校用のグレートコート(軍服のオーバーコートのこと)の
典型的なスタイルです。
元々は、メタルボタンで袖口もターンアップだったのですが、
街着として、革ボタンに変わっていったようです。
ただ、、肩章はその名残をとどめています。
生地そのものも「ブリティッシュ・ウォーム」といわれる
トープ色(ヨーロッパのもぐらのことで、グレー系の茶)の
かなり厚手のメルトンが本流です。
今回の生地は英国のマーチャント「H.E.BOX」のもので
なんと30oz(840g)の超ヘビー級です。
もちろん、薄手のメルトン、ドスキン等でもいい雰囲気が出ます。
残念ながら、この季節、実証は出来ないのですが、かなり暖かそうです。

ところで、第一次世界大戦といえば、Juyeux Noel(邦題「戦場のアリア」)
という映画がお勧めです。
最前線の塹壕戦で起こった奇跡のクリスマス休戦の実話に基づいた映画ですが、
戦闘シーンがほとんどなく、フランス軍、ドイツ軍、スコットランド軍の
グレートコートやユニフォームが一同に見ることができ、非常に興味深いです。

→コートの写真集(Feature of Overcoat)を更新しましたので是非ご覧ください

また、ブリティッシュウォーム着用の動画も作りました。 ご笑覧下さい。
(動画が表示されない場合は、こちらをご覧ください。)
http://www.youtube.com/watch?v=jz5ykHxFbvg